3. セットアップ
以下の手順で開発環境のセットアップを行います。
ヒント
セットアップの流れ
My-IoTストアへのサインアップ
OSイメージ/証明書ファイルのダウンロード
OSイメージの書込み
証明書ファイルの準備
Raspberry Piの起動確認
Node-REDの設定
ここでの設定は一度だけで完了します。 システム開発のたびにセットアップする必要はありません。
3.1. My-IoTストアへのサインアップ
My-IoTストア に My-IoTアカウント をサインアップ(登録)して、 My-IoTプラットフォームを利用できるようにします。 My-IoTストアは、開発したエッジアプリやクラウドアプリなどの登録/管理をはじめ、 パッケージの作成やグループへの登録(パッケージのインストール)を行います。 これらの操作はすべてWebブラウザ経由で行います。
新規サインアップ画面を開く
メールアドレスを入力/送信
送信後に表示されるポップアップ "Confirm" は まだ押さない
届いたメール内のVerify(承認)リンクをクリック
上記2.の "Confirm" をクリック
すでに、サインアップが終わっている場合は、サインインしてMy-IoTストアのトップページに移動し、 次節の「 OSイメージ/証明書ファイルのダウンロード」に進んでください。
3.1.1. My-IoTサインアップ
サインアップ前に、My-IoTコンソーシアム入会時の下記情報を用意して下さい。
My-IoTアカウント (届け出ているメールアドレス)
My-IoTストアURL (コンソーシアムから連絡)
文字数が多いため打ち間違いに注意してください。Webブラウザへのブックマークを強くおすすめします。
WebブラウザからMy-IoTストアURLにアクセスすると、サインイン(Sign in) の小さな画面がポップアップ表示されます。(下図)
最下行の"Need an account? Sign up"を押すと、新しくサインアップ画面 ("Sign up with a new account")が出ますので、 My-IoTアカウントと新規パスワードを入力し、青色の"Sign up"のボタンを押します。
認証用メールを当該メールアドレスに送信した旨のポップアップが表示されますが、 "Continue"は、まだ
押さないで
下さい。届いたメール内の認証用URLにアクセスし、"Your registrarion has been confirmed!" のポップアップが表示されたら、上記3.の"Continue"を押して下さい。
My-IoTストアを開き直すか再読み込み(リロード)し、下図のようなMy-IoTストアのトップ画面が表示されれば、 問題なくサインアップができています。
注意
My-IoTにサインインして、一定期間操作がないとタイムアウトのためサインアウトします。 その時は、もう一度サインインしてください。
3.2. OSイメージ/証明書ファイルのダウンロード
My-IoTストアからOSイメージとプロビジョニング(エッジとクラウドの接続)用証明書をダウンロードします。
My-IoTストア左側のオレンジ色の部分にマウスカーソルを移動(ホバー)させると、 サイドバーが右側に展開します。
項目内の
セットアップ
をクリックしサブメニューを表示します。 さらにその中からOSイメージダウンロード
をクリックすると、 「OSイメージダウンロード」のページが下図のように表示されます。ページ下方の「OSイメージ名」に複数のOSが表示されています。 その中から(オレンジ色の)
Raspberry Pi OS(Debian 11 32bit)
をクリックすると、 「OSイメージ詳細」が表示されます。下方の
ダウンロード
をクリックし、適当なフォルダ(例えば、C:\myiot)に OSイメージファイル(ZIPファイル)をダウンロードします。例: C:\myiot\raspi-debian11-32bit-2022-10-14.zip、ファイルサイズ:約4GB強
ここまでと同じように、サイドバーから
プロビジョニング用証明書ダウンロード
をクリックし、 「プロビジョニング用証明書ダウンロード」を表示します(下図)。下方の
ダウンロード
をクリックし、適当なフォルダに プロビジョニング用証明書ファイル(ZIPファイル)をダウンロードします。例: C:\myiot\claimCertificate.zip
3.3. OSイメージの書込み
My-IoT用のエッジシステムを組み込んだOSイメージをマイクロSDカードに書き込みます。
ZIP形式で圧縮されたOSイメージを展開(UNZIP)します。 ダウンロードしたディレクトリで、ZIPファイルを展開してください。 以下に、WindowsでUNZIPコマンドを利用した実行例を示します。
OSイメージの展開(コマンドプロンプトでの例)
C:\myiot>unzip raspi-debian11-32bit-2022-09-22.zip Archive: raspi-debian11-32bit-2022-09-22.zip inflating: raspi-debian11-32bit-2022-09-22.img
注意
unzipコマンドが無い場合は、別途圧縮・展開ソフトウェアをインストールしてください。 Windowsの場合はExplorerを使ってZIP/UNZIPできます。
Raspberry Piのダウンロードページ にアクセスして、イメージ書込みツールである Raspberry Pi Imager をダウンロード (「Download for Windows/macOS/Ubuntu」 をクリック)します。 そして、ダウンロード後にPCにインストールします。
Imagerを実行すると下図のウインドが開きます。
注意
(Windows)Imager起動時に、 ユーザーアカウント制御からデバイス変更の問合せがポップアップ表示された場合は、 「はい」をクリックしてください。
OSを選ぶ
をクリックして、下方にスクロールし、カスタムイメージを使う
をクリックします。 書き込むOSイメージを問い合わせてくるので、上記1.で展開したディレクトリに移動し、 OSイメージファイル(imgファイル) を選択します。 つぎに、マイクロSDカードをカードリーダーに挿入し、PCとUSB接続します。 Imager画面のストレージを選ぶ
を選択し、 ポップアップしたストレージの中からPCが認識したマイクロSDカードを選択します。最新のImagerでは、マイクロSDカードの書込み時にユーザパスワードやWi-Fi接続の設定ができます。 Imager画面右下の
歯車アイコン
をクリックすると詳細な設定の画面が開きます。下方にスクロールして、「ユーザー名とパスワードを設定する」 や 「Wi-Fiを設定する」 のチェックボックスにチェックを入れ、それぞれの設定値を入力してください。
保存
をクリックして設定完了です。危険
ユーザー名(pi)は絶対に変更しないでください。エッジシステムが動作しなくなります。
Tip
さらに下方にある 「ロケール設定をする」 で、キーボードレイアウト(英語や日本語など)を選択できます。
Imager画面右の
書き込む
をクリックして、マイクロSDカードにOSイメージを書き込みます。 書込みの終了後、Imagerを終了してください。 imgファイルはファイルサイズが大きいので終了するまでしばらく時間がかかります。
3.4. 証明書ファイルの準備
USBメモリをPCに接続し、エクスプローラーなどで開きます。
USBメモリのトップディレクトリに、ディレクトリ 「myiot」 を新規作成します。
ダウンロードしたプロビジョニング用証明書(ZIPファイル)をmyiotディレクトリに展開します。
プロビジョニング用証明書ファイルの展開(コマンドプロンプトでの例)
G:\>mkdir myiot G:\>cd myiot G:\>unzip C:\myiot\claimCertificate.zip Archive: C:/myiot/claimCertificate.zip inflating: provisioningParams.json inflating: claimCertificate.crt inflating: claimCertificate.key inflating: AmazonRootCA1.pem G:\myiot>dir : 2022/10/06 02:54 274 provisioningParams.json 2022/10/06 02:54 1,224 claimCertificate.crt 2022/10/06 02:54 1,675 claimCertificate.key 2022/10/06 02:54 1,188 AmazonRootCA1.pem
重要
ディレクトリ名は必ず 「myiot」 としてください。
注意
zipコマンドが無い場合は、別途圧縮・展開ソフトウェアをインストールしてください。 Windowsの場合はExplorerを使ってZIP/UNZIPできます。
3.5. Raspberry Piの起動確認
OSイメージを書き込んだマイクロSDカードと、プロビジョニング用証明書を書き込んだUSBメモリを Raspberry Pi に接続し電源を入れます。
WebブラウザからMy-IoTストアにアクセスし、左サイドバーから
管理
⇒エッジ一覧
の順にクリックします。 数分待ち、My-IoTストアを再読み込みするとエッジ一覧に自分のRaspberry Piの状態が オンライン として表示されます。表示されない場合は、 再度しばらく待ってからWebページを再読み込み(リロード)してください。危険
初回起動時は利用可能になるまでかなり時間がかかります。 起動完了までマイクロSDカードやUSBメモリは 絶対に抜かないで 下さい。
注意
Raspberry Piが動作している時は、ボード(基板)の電源端子付近にある 緑色のLED が、時々点灯します。点灯している時は電源を切らないでください。
自分のエッジ名(sip-myiot-things-XX:XX:XX:XX:XX:XX) をクリックし、 「エッジ詳細」ページを表示します。 初期設定時のエッジ名は、他のエッジ名と似ていて判別しにくいので、Webページ右上の
変更
をクリックし、 任意のエッジ名に変更することをおすすめします。 本ガイドでは、"sug_raspi"と入力し、はい
をクリックします。エッジ情報を示す表の下方にエッジ動作モードが表示されています。 モードには、一般機 と メンテナンス機 があり、最初は一般機になっています。
重要
Node-REDを使ってエッジアプリを開発するときはメンテナンス機に変更します。
メンテナンス機化
ボタンをクリックして数分待ちます。 モードがメンテナンス機に変わるまでWebページを再読み込みしてください。エッジ動作モードがメンテナンス機になると、Node-REDを利用することができます。 Webページ下方の「テンポラリフロー情報」の
フロー開発
をクリックして、 Node-REDウインドを開きます。
3.6. Node-REDの設定
本システム開発で、温度と湿度のスライド入力や不快指数値をゲージパネル表示するための、 Node-RED機能(ダッシュボード)を追加します。
Node-REDの右上にある
ハンバーガーアイコン(≡)
をクリックし、メニュー内のパレットの管理
をクリックします。「ノードを追加」タブをクリックし、「ノードの検索」に"node-red-dashboard" と入力します。 複数の候補が出てきますが、同じ名称を持つ(A set of dashboard nodes for Node-RED) 枠内右下の
ノードを追加
をクリックします。"ノードをパレットへ追加しました:"とポップアップ表示されたら、 画面内の適当な場所をクリックしてポップアップを消し、 上部赤色の
閉じる
ボタンをクリックします。 左のサイドバーを下方にスクロールして、dashboard パレット に水色の各種ノードが表示されていることを確認してください。
以上でセットアップはすべて終了です。
セットアップのポイント
My-IoTストアへのサインアップ
マイクロSDカード/USBメモリの書込み
Node-REDへのダッシュボードパレット追加